かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

美学をもつ

言語表現法講義 (岩波テキストブックス) 作者:加藤 典洋 岩波書店 Amazon 仕事をしていると、Aを選ぶにしても決め手に欠け、Bを選ぶにしても決め手に欠けるということがある。または、AでもBでも理由が立つから、選べないということもある。 Aしか理由が立た…

Queen第二世代からみたQueen + Adam Lambertの東京ドーム公演

私が生まれたとき、彼はすでに亡くなっていた。 小6でファンになったときは、再結成などもってのほかだった。Queenのファンは、過去の曲やライブ映像を見るしかないと思っていたし、実際、「フレディのいないQueenなんて考えられない」というファンも多かっ…

「推し」とか「表情管理」とか

「推し」という言葉が気になって、考えている。 「推し」は、他人を介在させた「好き」だ。いかに自分の生活が推しに染まっているかで、好きの度合いを競っている。 どうやって自分の生活を推しに染めるのか。それは、SNSで関連アカをフォローして、写真とか…

K-POPの客の盛り上がりが分からない。

今年の紅白は、ジャニーズの代わりなのか、K-POPアイドルが多数出演していた。 で、PRODUCE101を見ていても思ったことなのだが、彼ら/彼女らがパフォーマンスをしているときに、不可解なタイミングでお客さんが「キャー!」と盛り上がる。 例えば、 【NewJea…

2023年、今年の3冊

2023年に読んだ本は、今日時点で105冊。私の傍には「成瀬は天下を取りに行く」があるが、もはや今年は読めないので諦める。 以前と比べてブログの更新頻度が激落ちしたが、書きたいときに書くと決めているので、来年もマイペースにやっていきたい。 というわ…

忘れる・思い出す・覚える

世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) 作者:牛尾 剛 文藝春秋 Amazon 読んだ。 さいきんの私の悩みとして、物事が忘れっぽくなり、思い出せなくなったということがある。さすがに年を取ってきたのかと思ったのだが、この本を読んで「思い出す力を鍛えて…

地方公務員アワードを巡るHOLG代表とのやり取り

HOLGの代表である加藤さんと、地方公務員アワードに関してやり取りをしましたので、それをここに掲載します。 黒が加藤さんからの返答。青(?)がそれに対する私の返答です。 私の返答に対して、加藤さんは「一つだけ回答すべきと思ったのは、かつげんさん…

地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワードへの疑問(と提案)

Twitterでホルグの代表の方にいろいろ質問しようと思ったのだが、項目がありすぎて整理できなさそうなので、ブログで書いて見ようかと思います。 時間がない中で書くので、乱文になると思いますがご了承を。 (10/8追記:その2へ続きます。) 1.なぜ組織…

大阪に行った

初めて大阪にいった。感想をいくつか。 目当ては太陽の塔だったが、太陽の塔は本当に良かった。現地でしかわからないデカさや異様さというのは、やはりこの目で見ておいてよかった。内部も見たが、展示に加え、音楽がかなり好きだった。渋谷の岡本太郎記念館…

グループであることが権力とみなされる

「ナニカグループ」という批判(?)の仕方があるらしい。 こういう動きを見ていると、目的を持って徒党を組むこと自体が、権力的とみなされ、忌避される傾向にあるのではないかと思う。 先日こんな本を読んだ。 「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダ…

競争的価値観とそこからの脱落

コンビニ人間 (文春文庫) 作者:村田 沙耶香 文藝春秋 Amazon 『コンビニ人間』を読んだ。 私が大学生の頃は「個性」という言葉がしきりに重要視された。今や「個性」という言葉は、ことさら強調されなくなった。 これは「個性」の流行が終わったというよりも…

メディアの「信頼」を考える

メディア関係者が「取材対象からゲラを見せるように言われるが、メディアは信頼されていないのか?」といったツイートをしたところ、それが炎上しているらしい。 現在は非公開にしているようだが、このツイートへのコメントを見ていると、「とっくに信頼して…

「幸せにならなきゃいけない」ということはない。

『ハッピークラシー』を読んだ。 ハッピークラシー――「幸せ」願望に支配される日常 作者:エドガー・カバナス,エヴァ・イルーズ,山田陽子 みすず書房 Amazon 「あらゆる出来事も、自分の心持ち次第で幸せになれる」という、いわゆるポジティブ心理学に対する…

”沼”という形容と被害者意識

”沼”という言い方が最近流行している。 好きなものに"ハマる"という形容が、そうさせているのだろう。カイジの"沼"の影響もあるかもしれない。いずれにしろ、好きなものにハマることを"沼"と形容するのは、今や一般的と言える。 しかしこの”沼”という形容に…

話がこじれる原因は、持っている情報の差である

生活保護の仕事をやっていると、親族やケアマネージャー、病院の相談員、近所の友人など、いろんな関係者と出くわす。 こういったいろんな関係者がいると、話がこじれることがある。その中には、キャラの濃い人によって”こじらされる”こともあるのだが、だい…

所有することが趣味になる

クラウドサービスやサブスクが隆盛している今、なにかを所有するということが改めて問われている。 つまり「所有」と「利用」を分離し、「わざわざ所有することなく利用権だけを持っていればよいではないか?」という考えが、世の中に浸透し始めている。 「…

神様になりたかった話

人を動かす 新装版 作者:D・カーネギー 創元社 Amazon 「人を動かす」を読んだ。 自己啓発の古典であり、読み継がれていくものだろう。たしかに言っていること自体、間違いではないし、人を動かすためには必要なことである。 ただ「ここで言っていることを続…

2022年、今年の3冊

2022年に読んだ本は、12/30時点で69冊。 今年は昇任試験もあり、なかなか本を読む時間が捻出できなかった。読んだ本自体も、軽めの本ばかりだったように思う。 相変わらず、ほとんどの本を図書館から借りて読んでいる。返却期限があるから、適度な緊張感があ…

加害者になる勇気

自分の気持ちや要望を伝えずに、「周りの人が自分の気持ちを察するべき」と思っている人がいる。 それで周りの人が察してくれればよいが、自分の思うままに動いてくれないと「なんで察してくれないの?」と逆ギレする。または、気持ちは察したものの、その手…

アイデアを出すことと、それを実現すること

うちの係にタブレットが支給された。DX推進の一環らしい。 「支給された」といっても、同じ課の他の係には支給されているのに、なぜかうちには支給されていないということが分かり、「うちにもくれ!」と要望したのだ。 こう簡単に書いたものの、うちの係に…

「係員が増えれば…」という前に

私が担当している仕事は、他の係から仕事の依頼があって、その依頼に基づいて初めて動く。だから依頼の件数=仕事の件数といっていい。 あるとき、今年異動してきた上司から「依頼の件数が減っているけど、なんで?」と聞かれた。私はコロナ禍の影響かもしれ…

自分の人生は、自分で決めるのか

「自分の人生は、自分で決める」というのは、なんとも威勢のいい言葉だが、そんなことは不可能である。 なぜなら、そもそも自分が生まれたこと自体が、自分で決めたことではないからだ。 そんな極論を言わなくとも、人生の中で自分で決められることなど、た…

昇任試験に合格しました!

昇任試験が終わった - かつげんの拠り所 の続き。 おかげ様で、試験に合格することができました。努力の成果が出て良かった。 前にも書いたように、試験勉強を4月からやりつつ、8月からこういう話やこんな話があり、今年は激動の1年だった。これで「試験…

30歳の課題

後輩を飲み会に誘う。気を遣って、「嫌だったら断ってもらっていい」と、なんども伝える。相手からは「また誘ってください」と言われる。だから誘う。しかし後になって「あのとき、実は嫌だったんです」と言われる。 そういうことが最近起きた。私は他人との…

価値観の作られ方

人生は決断の連続である。 とは言っても、それが決断であることを自覚しているのは稀で、結婚やマイホーム、子育てなど重要な決断のときだけ、そのように自覚したりする。 しかし、実際のところ、大なり小なり我々は決断している。 通勤電車に乗るかどうか、…

「意識しよう」という解決策

先日、職場の打ち合わせがあり、事務ミスが多いという話になった。その上司いわく「意識すれば、ミスは減るはず」とのこと。 他にも、その上司が気になっていた"問題"を次々取り上げられた。例えば「電話を取る人が偏っている」とか「離席するときは、周りの…

無駄に気づくには、別の視点が必要である。

自分のやっている仕事やその方法が「無駄だ」と気づくには、別の視点が必要である。その方法を続けたところで、確かに洗練されて効率的になることはあれど、限界がある。 例えば、ショートカットキーを使うことに慣れている人から見れば、マウスを使ってポチ…

自分と向き合わなければならない

彼女と別れた話を先日書いた。(別れ話 - かつげんの拠り所)それでは自分にはどういう人が合うんだろうか。 いろんな条件に思いめぐらすのだが、彼女が新たにできたところで、自分の孤独感は消えないように思う。むしろ「彼女がいるのに寂しい」という感情…

固執していくアイデンティティ

「私はこういう人間だ」という自己認識をアイデンティティと呼ぶとすれば、アイデンティティは認識のために必要ではあるものの、過度に意識しすぎると上手くいかない。 アイデンティティは、客観的事実ではない。言ってみれば思いこみである。だからアイデン…

昇任試験が終わった

昇任試験がやっと終わった。4月から半年間勉強してきて、ようやく終わった。自己採点の結果では、たぶん合格しそう。発表されるまで分からないけど。 受かっても受からなくても、再度筆記試験を受けてまで挑戦しようとは思っていないので、これでかなり気が…