かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

朝起きるのが苦手すぎて、スーツで寝た話

寒くなってきて思い出したことがあるのでメモ。 私は、冬になると朝スッキリ起きれないどころか、鬱っぽくなるところがある。あまり自分から言うものではないが、「冬季うつ病」なのかもしれない。 前の部署は条例の審査をやるということもあり、それなりに…

ケースワーカーの交渉術

ケースワーカーは、関係者の間に入って調整することが多い。調整というが、内実としては「交渉」であって、関係者の利害を考えつつ、どうやってまとめていくかというのは、結構難しい。 私は、交渉をカードゲームのように捉えているので、その考え方をメモ的…

「男らしさ」と男であること

anond.hatelabo.jp ジェンダー関連の本をいろいろ読んでいると、複雑な気分になる。フェミニズム的な観点からジェンダーを論じることがほとんどで、いわゆる男性学的な議論が少ない。だから少し置いてけぼりを喰らっているような印象を抱いてしまう。 「男性…

誰かが成功したからといって、私が成功するわけではない。

自己啓発本の悪いところは、誰かが成功した方法を単純に一般化して、「あなたもこの方法で成功しますよ」と、誘惑することだ。 誰かがある方法で成功したところで、私も成功するわけではない。私が失敗しても、その人は責任を取ってくれない。なぜなら、その…

「まだ出来る」と「より良い」の狭間で、地方公務員は浮遊する

地方公務員は、業務改善の意欲が乏しいと言われる。しかし実際のところは、少なくとも若手の中では、意欲自体はあるように思う。 例えば、被保護者の家に訪問に行く際、ケース記録を持っていくことがある。ケース記録は、生活保護を受けてから今までのやりと…

プロレスは、どのようにして負けるのか?

言語学バーリ・トゥード 作者:川添愛 東京大学出版会 Amazon 読んだ。 「プロレス」という言葉は、一般に「プロレスリング」のことを指す。だが、たまに「あれはプロレスだから」なんて言われることもある。この意味での「プロレス」は、争って"見えるように…

すぐに「すいません」と言ってしまう人への提案

例えば、自分が仕事を休んでいた間に、同僚が自分の仕事を代わりにしてくれていたとする。次の日、それに気づいた私は、同僚にどんな風に声をかけるだろうか。 「すいません、○○さん。代わりに仕事をやってもらって...」 という感じではないだろうか。 こん…

図書館併用のススメ -「わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる」を読んで-

わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる 作者:Dain 技術評論社 Amazon 読んだ。 以前、スゴ本さんがゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版を勧めていて、試しに読んだことがある。率直に言って"GEB"は自分には合わな…

地方公務員は「招集バッグ」を用意したほうがいい

さいきん地震も多いので、防災グッズや備蓄を買おうかと考えている。しかし「そもそも地方公務員は、家においてある防災グッズを使うんだろうか?」と思うようになってきた。 地方公務員の場合、大きな災害が起きると、職場への招集がかかる。そうすると、自…

電子書籍の手触り

私は、家にある本をPDF化にして、PC上で読むようにしている。おかげで、本棚はスカスカになった。PDF化した理由はいくつかある。 1つ目は、ブログなどで引用しづらいこと。紙の本で読んでいると、ブログなどで本を引用しようとしても、コピペできない。いち…

人に対する評価は、グラデーションではない。

人に対する評価は、結局は「敵」と「味方」ぐらいに区別することでしか評価できないのではないかと思う。人事評価が数値化されていったことにより、人間に対する評価は1点刻みで出来るように思われている。しかし、それはあくまで「科学的」な評価であって、…

逃げてもいいけど、その後どうする?

夏休み明け間近になると「逃げてもいいんだよ」という言葉をよく聞くようになる。仕事の話もそうだ。理不尽なことや嫌なことがあったら、下手に立ち向かわずに「逃げてもいいんだよ」と言ったりする。 それで自死してしまったら元も子もないから、ひとまず辛…

プログラミングの考え方を法令に適用すること

この疑問は、私も以前から考えていたことだ。 プログラミングは、コンピュータに対して「こう動いてくれ」という命令と言ってよいだろう。しかし、その命令を受けるコンピュータ側もプログラミングで出来ている。つまり、命令自体もその命令の受け手も、共通…

言葉をキメすぎるのもあまり良くない。

三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾 作者:近藤 康太郎 CCCメディアハウス Amazon Amazonの評判が良いので読んでみたが、ガックリきてしまった。 本の中身は特別なことを言っているわけではない。鶴見俊輔の文章心得帖 (ちくま学芸文庫)と同じような感…

新人職員から中堅職員になるために

新人の頃は、誰しも与えられた仕事をこなすだけで精一杯である。その仕事がどういう意味を持ち、どういう流れで私のところにたどり着いたのかなど、考える余裕はない。しかし、だいたい3年も経つと、仕事のやり方も確立できて、次第に周りのことが見えてくる…

「なぜ仕組みにこだわるのか?」という問いと、その答え

Twitterで「自分が居なくても仕事が回ることを目指す」ということを話したことがあって、それについて考えてみたい。私が言いたいのは、次のようなことだ。 1. 特定の人に依存した仕事を避けたい2. 業務の方法や経過を形として残したい3. 体系的に業務を…

Twitterで地方公務員を名乗って、文句ばかり言う人

地方公務員を名乗っているTwitterアカウントは、今や数え切れないほど存在する。いろいろな趣のアカウントがあるが、残念なことに、いつも文句ばかり言っているアカウントがある。 たまに自分のタイムラインに流れてきて、「どんな人かな」とアカウントの投…

面倒くさがった結果、より面倒くさいことになる

生活保護の仕事をしてると、面倒くさいケースに遭遇する。その人の生活歴や障害などを見ると、しょうがないなと思うこともある。両親から虐待されたなんてケースを見ると、可哀想に思うこともあるぐらいだ。 ただ、ケースワーカーのなかには、そういった背景…

罪悪感のない積読は、積読ではない

積読という言葉は、5年ぐらい前から出てきたような気がする。今や、 積読こそが完全な読書術である 作者:永田希 イースト・プレス Amazon という本が出るぐらいだ(中身は必ずしも「積読全肯定」というわけではないと思うが)。 さて、私はこういった「積読…

角川武蔵野ミュージアムに行ってきた

角川武蔵野ミュージアムに行ってきた。 建物は非常によかった。遠くから見える異様な建物は目を引いたし、近くで見ると意外と大きい。 まず、一番注目されているのは「本棚劇場」だろう。 上から下まで本棚で埋まっている空間は、壮観だ。プロジェクションマ…

小林秀雄は少し苦手だった

最近、小林秀雄の本を何冊か読んだ。 学生との対話 新潮社 Amazon モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) 作者:秀雄, 小林 新潮社 Amazon 考えるヒント 作者:小林 秀雄 文藝春秋 Amazon 改訂版 小林秀雄の哲学 (朝日新書) 作者:高橋昌一郎 朝日新聞出版 Ama…

この後輩がすごい!2021

「このミステリーがすごい!」という賞があるが、それにあやかって「この後輩がすごい!」と思ったことを書いてみたい。 登場人物は、今年入庁したばかりで新人のAさんと、Aさんの教育係で3年目のBさん。教育係のBさんは、入庁して初めての部署が今の部署で…

やりたい仕事だけをやるには

面倒な人が職場にいる。 すでに定年を超え、再任用として働いている人だ。私は、その人と一緒に仕事をしている。 どのように面倒か。 彼は公務員に向いていない。自分でもよくそう言っていて、それを誇りに思っている部分すらある。つまり「俺は、“ルールだ…

一貫性とは過去の概念である

私たちのTwitter上の発言ひとつひとつには、URLが付与されている。これは驚くべきことである。発言は、すべて独立して存在していて、いつでも参照可能なのだ。 何年も前の発言を取り上げられ、「前にはこんなことを言っていたじゃないか!」と批判されている…

音声入力による“第2次言文一致運動”の可能性

このブログはタイピングすることによって書かれているが、例えば、勝間和代は音声入力でブログを書いているようだ。 確かに、認識さえちゃんとしてくれれば、音声入力の方が楽なのだと思う。 しかし、ハンズフリーで電話している人ですら「ひとりごとを話し…

スキャットマンに憧れて、吃音になりかけた話

ニュースを見て、高校生の時に吃音になりかけたことを思い出した。それは、動画サイトでスキャットマン・ジョンの存在を知ったのがキッカケだった。 「吃音を活かすなんてすごい!」と、吃音のこともロクに知らずに、彼に憧れていた。元々好きだったQueenの”…

インターネット利用料は必要最低限として認められるか

「なるほど、こういうサービスがあるのね」と感心した。確かに、今やインターネットは、社会的なインフラといっても過言ではない状態になっていて、それがないと生活できないという面はある。 さて、3年ぐらい前だったと思うが、熱中症対策として、家具什器…

総理大臣に「お疲れ様でした」という気持ち

菅総理が、次期総裁選に出馬しないというニュースから、報道は政局で持ち切りである。引用したブログほど嫌悪感を抱いているわけではないのだが、SNSを見て気になるのが、こういった「総理退陣」のニュースを引用RTして「お疲れ様でした」とコメントしたり、…

どこまでが病気のせいで、どこからが自分の責任か

彼女は、自身にうつ症状があることを告白している。この「うつ症状」というのが、医師から”うつ病”という診断を受けた上での話なのか、それとも医師から診断されていない”うつ症状”なのかというのは、結構厄介な話で、センシティブな話でもある。 ここでは、…

昨今の”教養ブーム”から見えること

仕事帰りに書店をフラフラしていると、“教養”という言葉が、流行り言葉になっているのが分かる。 例えば、 ・世界の教養・教養としての○○・世界のエリートが知っている○○ など、書棚が「お決まりのフレーズ」で彩られている。あらゆるものがビジネスに必要な…