職場に新人が配属された。
どうやら仕事について悩んでいるようだったので、サイゼリヤに連れていって、相談を受けた。
相談の内容はさておき、私はその話し方が気になった。
歓送迎会などの飲み会のときとは、まるで話し方が違う。かなり饒舌なのだ。
聞くと、大人数の飲み会は苦手らしい。
周りがすべて「先輩」であるわけだから、飲み会の場で新人が堂々と自分の話をするということは、確かに難しい。
実際その後に、他の若手職員も合流して、「サイゼリヤ会」は合計4人になったのだが、その新人は全く喋らずに、相づちを打つだけになってしまった。
このような状態では、新人の話を聞くことなど、とても出来ない。
家族の呼び名について、面白い話を読んだことがある。
家族に子供が生まれると、その子供を中心にして、家族の関係性が変わるという話だ。
夫婦に子供が生まれると、「夫」は「父」となり、「妻」は「母」となる。
2人目が生まれると、「息子・娘」は「長男・長女」になる。
つまり、家族の役割は、直近に生まれた子供=「新人」を中心にして作り変えられる。それは、単に呼び名が変わるだけではない。その関係性や役割も変わっていくのだ。
翻って職場の状況を考えたとき、果たしてその環境は、新人を中心にして作り変えられているだろうか。
教育係だけでなく、係員全員が新人に目を配り、話を振り、仕事をしやすい環境にしているだろうか。
新人に、その能力を存分に発揮してもらうためにも、私たちは最大限の努力をする必要がある。