かつげんの拠り所

1992年生のしがない福祉系地方公務員のブログ

「選挙」というシステムは、時代遅れなのではないか。

 最近「選挙」というシステムについて、懐疑的な見方をしている。

 発端としては、選挙近くになると、「若者よ、投票へ行こう」というキャンペーンが繰り広げられ、あの手この手で、選挙の重要性を説くものが多く見られるようになったことだ。

 普段は、政治と大衆が分かれていて、さも遠くの出来事のような報道をするのに、こういうときだけ選挙に行こうというのは、どこか「葬式仏教」の構造と似ている気がして、個人的に納得できない部分がある。
 そもそも選挙とは、現時点では、行きたい人が行くものであって、行きたくない人は行かなくていいはずである。

 どこか「選挙に行かない人は、非国民」というようなイメージが醸成されているように感じる。

マニフェスト選挙とその弊害

 昨今の選挙は、政策選挙である。各党でマニフェストを掲げ、それをテーマに選挙を行っていく。しかし、このマニフェストをやり遂げた政党が、果たしてどれだけいるのだろう。

 有名なのは2016年の東京都知事選挙。現知事である小池さんは、7つのマニフェストを掲げたが、それはまだ達成されていない。

 都知事選の例は、極端な例である。しかし、マニフェストというものが、選挙のときにはかなり全面に打ち出されるものの、選挙が終われば無用とされてしまう感覚は、市民全体が共有しているものだと思う。

 また、その時の政治状況・経済状況によって、マニフェストは変更され得る。そしてその変更は、ときに「適切な」変更であったりする。
 つまり政策は、水モノなのである。

 そのような水モノを根拠にして、政党や選挙人を選ぶということは、そもそも不適切なのではないかとすら思う。

 一票の意味は、誰が決めるか。

 選挙では、様々な論点が設定される。
 その様々な論点に応じて、選挙人は一票を投じる。だから「Aという政策に賛成だからA党に投票しよう」という単純な話ではなく、「Aには賛成だが、Bには反対で... A党は、AにもBにも賛成しているけど、私はどこに投票しようか」ということが往々にしてあり得る。

 つまり、投票人が投じる一票には、複雑な意味が与えられていることが多い。

 しかし、投票人があれこれ考えて、いくら複雑な意味が与えられたとしても、一票は一票。「清き一票」も「汚き一票」も、同じ一票である。
 つまり、選挙による得票数は、一票の意味を無化する。

 そして、選挙結果が発表されると、その票の意味は、それぞれの政党によって解釈される。
 しかし、この政党によって解釈された意味は、必ずしも投票人が付与した意味とは限らない。というより、異なっていることがほとんどであろう。
 というのは、ある政党が信任されれば、その政党が掲げる全ての政策について信任されたのだと解釈する方が、都合がいいからである。

 逆に言えば、政党は、票を獲得しさえすれば良い。力さえ獲得すれば、あとは解釈できるのである。

何をやるかではなく、誰が信頼できるか。

 このように考えていくと、マニフェスト選挙は、実はあまり意味がないように思える。
 マニフェストは、政党の思想を具現化しているだけであって、その政策を実行するとは限らないからだ。

 そうすると、選挙とは、結局のところ、政策の中身やその実行のためのものではなく、前時代的な「一体誰が信頼できるか」という思想や人格によるものになってくる。実際、最近の選挙では、マニフェスト選挙からの反動なのか、そのようなものが多いと思われる。

 しかし、例え信頼によって選挙が行われたとしても、この信頼は「次の選挙まで、すべてのことを任せます」という全幅の信頼ではない。あくまで保留のある、何かあったときには止められる信頼である。
 ただ、現状として、このような「止められる仕組み」があるのだろうか。

選挙よりも大事と思われるもの

 思うに、政治家は、選挙の結果よりも世論調査を気にしているように思う。

 世論調査は、選挙よりも具体的であって、個々の政策についての賛否をも明らかにする。頻度も月に1回と、頻繁に行われている。
 そう考えると、政策への世論の反映という意味では、選挙よりも世論調査のほうが、影響が大きいように思う。

  しかし当然ながら、世論調査は選挙ではないから、なにかしらの決定を行えるわけではない。

選挙をアップデートすべき?

 やはり、人や政党を決定するだけの選挙は、信頼に基づいた選挙となってしまい、あまり実のないものになってしまう。
 以前から議論されていることではあると思うが、このような信頼選挙とは別に、政策選挙の制度を導入したほうが良いのではないかと個人的には思う。

 それはまさに、NHK世論調査のように、各政策を取り上げて、それに対する賛否も選挙するというものである。

 この制度の導入に伴う最大の争点は、「取り上げる政策の中身」であろう。議題設定それ自体が、一つの権力の現われだからである。

 しかし、個々の政策において、正式に国民の意思が示されるというのは、大きなことである。
 ぜひ、実現してほしい。