かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

思い出のそば屋

地元のそば屋がつぶれた。高校に通うときの、道すがらにあったそば屋だ。

古い個人経営のそば屋で、そば・うどん・かつ丼などはもちろん、焼きそばやラーメンまで出していた。
今考えると、なかなかアグレッシブなそば屋だ。

私は当時高校生で、「ソバは、年寄りが食べるものだ」と思っていた。だから高校3年間のうち、両手で数えられるぐらいしか、その店には行ったことがない。

ただそこへ行ったときには、必ずかつ丼を食べていた。

格別旨いというわけではないけど、「THE そば屋のかつ丼」という感じで、落ち着く美味しさ。
たまに「国産黒豚使用!」と銘打った、「特かつ丼」が出ることもあった。もちろんそれも食べた。
ぶっちゃけ、普通のかつ丼の方が美味しかったけど。

高校2年にもなると、ありがたいことに彼女が出来て、一緒にそば屋に行くようになった。
「またかつ丼食べるの?飽きないね~。」と笑われたこともあった。

しかし高校3年になると、自分の体形が気になってきたこともあり、かつ丼を控えるようになった。
そうはいっても「揚げ物は譲れない」ので、天かすの乗っている、たぬきそばを食べることにした。

たぬきそばを食べるようになって2回目。それは卒業式の前日だった。

卒業式の前日は予行練習があって、午後から登校することになっていた。
だから、彼女と早めに集合して、「あのそば屋で、ご飯を食べてから登校しよう」と。そういう話になった。

席について、「あー、ここでご飯を食べるのもこれで終わりかなー」と思いながら、結局たぬきそばを頼んだ。
彼女と私は、お互いたぬきそばを頼んで、美味しく食べた。

これまでの高校生活やデートなどを話しながら、そばを平らげて、一緒に高校へ向かった。

それが、2011年3月11日のお昼ごはんだった。