かつげんの拠り所

1992年生のしがない福祉系地方公務員のブログ

コロナ禍で面会できないことの弊害

例えば、脳梗塞で緊急搬送された人がいるとする。最初は急性期といって、集中的に治療する病院に運ばれる。

その後、容態が良くなればリハビリ病院に転院をして、リハビリを行うことになる。しかし、倒れたまま意識がなかったり、寝たきりになってしまうことも当然ある。

そういう場合は、医療療養病床というところに運ばれる。医療療養病床は、急性期のような集中的な治療はしないが、引き続き医師の管理が必要で、寝たきりの人がよく入院している。

医療療養病床に転院するときは、身近な親族がいる場合、医師などから事前に説明を受けることになっている。
その説明はざっくり言うと「リハビリをできるような状態ではない」とか「回復する見込みがない」という説明になる。つまり「そのまま亡くなる可能性が高いです」という説明なのだが、こういう説明を受け、親族が納得すると、医療療養病床に転院することになる。

仕事をしていて最近感じるのは、この説明に納得できない親族の人が増えているということだ。

確かに心情的には理解できる。急に倒れて「もう回復する見込みがない」と説明されたとき、すぐに納得できるかというと、それは難しいだろう。これまでそういった事例もいくつかあった。
しかし、それにしても最近になって増えている。 

なぜだろうと考えたときに、コロナ禍の影響が大きい気がした。現状では、本人と面会することが出来ないからである。

本人と会うことが出来れば、体中管に繋がれて、息絶え絶えとしている姿を見るだろう。その姿を見た後に、「リハビリさせてほしい」と言えるだろうか。むしろ「もう積極的な治療はせずに、休ませてあげたい」と言うことの方が多いのではないか。

しかし現状は、本人と会うことが出来ない。特に重症の患者と会わせてしまうと、感染症等でさらに悪化してしまう危険性もある。

もちろん医師の説明を受けて、親族がどういう判断をするかは、その親族が決めることである。
しかし、コロナ禍で本人の顔を見ることが出来ない中で、病院側が言葉だけで本人の病状を説明するのは難しい。

そしてこの説明に失敗したとき、その患者は病床を長く専有することになる。本当は2~3週間で転院するところを、2か月...3か月...と入院し続ける。

急性期の病床は、その名の通り、緊急性の高い患者が入院する病床だ。つまり、このような事態は「親族が納得しない」ということだけで、他の患者が必要な治療を受けられないことを意味する。

コロナ禍で「病床が足りない」とか「医療崩壊」という話はよく聞くが、こういう地味なところにも影響があるような気がしたので書いてみた。