かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

音声入力による“第2次言文一致運動”の可能性

このブログはタイピングすることによって書かれているが、例えば、勝間和代は音声入力でブログを書いているようだ。

確かに、認識さえちゃんとしてくれれば、音声入力の方が楽なのだと思う。

しかし、ハンズフリーで電話している人ですら「ひとりごとを話している変な人」と解釈されてしまう世の中で、「ひとりごとを話してブログを書いている人」が受け入れられるかというと、現時点ではなかなか難しいだろう。ただ、なにかのきっかけで音声入力が主流になっていくだろう。
音声入力やフリック入力が発明され、タイピングが“特殊技能“となりつつある今、「そもそもキーボード入力自体が非効率だよね」という声が多くなるのは必然だ。

そもそも、このように書いている文章と、我々が話している言葉は言うまでもなく異なっている。私が、今書いている言葉のように普段も話していたら、かなりおかしいだろう。これが話し言葉ならば「かしこまった独り言」になってしまう。

つまり、書き言葉と話し言葉は、区別されている。

仮に音声入力が主流になると考えてみよう。今までの入力方式は、基本的には「手」による入力だ。しかし音声入力は「口」である。この変化は、かなり重要な変化だ。

というのも、音声入力で使う「口」と普段の会話で使う「口」が共通するために、「口」を通して、音声入力的な発音と普段の会話的な発音が混ざるのではないかと考えているからだ。

例えば、普通の人は9月1日を「クガツ ツイタチ」と読むが、役所では「クガツ イッピ」と読んだりする。「施行」も本来は「シコウ」だが、役所では「セコウ」と読む。こういった役所独自の言い方に慣れてくると、普段の生活でもお役所言葉で読むのが普通になる。

お役所言葉と同じように、音声入力が普及していくと、音声入力独自の言葉や読み方が、出現してくるだろう。
そのとき、人間は書き言葉・話し言葉・音声入力の3つの場面を、明確に使い分けることが出来るのだろうか。むしろ“第2次言文一致運動”的な流れが興ってくるのではないか。

そんな気がしている。