かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

図書館併用のススメ -「わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる」を読んで-

読んだ。

以前、スゴ本さんがゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版を勧めていて、試しに読んだことがある。率直に言って"GEB"は自分には合わなかった。その理由は、以前ここに書いた。

こういう経緯があるから、今回の本についても「知的冒険もの」で、特にまとまりのない話だろうとタカを括っていたのだが、「バランスの取れた読書論」という感じで、結構面白かった。

例えば先日、罪悪感のない積読は、積読ではない - かつげんの拠り所という記事を書いたが、この本の中では、それを簡潔に表してくれている。

「本は買え」と脅してくる人ほど、本は資料であって「読む」ものとして扱っていない。買ったはいいが、読みもせずに積んでおく言い訳の最高のものとして、「これらは資料だ」というものがある。そして、その言い訳が成立するのは、文章を生業としている人である。(77)

本を読むことを生業の一部としている人は、「資料」であり「経費」なのだから、そりゃ「本は買え」と言うだろう。しかし、職業としてではなく、趣味として本を読んでいる私としては、時間も金も、そこまで使えない。

時間も金も、そこまで使えない自分がどうやって本を読めばいいのか。答えは図書館だ。

借りては返し、借りては返し、そのぐるぐる回しの中で、本当に買うべき本が浮かび上がって来る。買うべき本の確度を上げるために、図書館を利用するのだ。(57)

私も、図書館のこういう使い方をなんとなく考えていたのだが、上手く言語化出来ていなかった。Amazonでは「試し読みサービス」があるが、結局は、目次や最初の数ページだけだったりする。でも、図書館ならまるごと試し読み出来る。

ということで、今度からは、Amazonのほしいもリストに入れている本を、片っ端から借りて、試し読みしていこうと思っている。ただ、そこで少し問題がある。

まず、その本が図書館に必ずあるわけではない。だから、ほしいものリストにある本を必ず借りられるわけではない。そして、人気のある本は順番待ちになることもある。私の住んでいる自治体は、予約件数に制限があって、10冊までと決められている。当然ながら、順番待ちの本も「予約件数」に算入されるので、例えば順番待ちの本が3冊あると、実質的に予約できる本は7冊しかない。

そこで、図書館を併用するということを考えた。というか、もともと併用していたのだが、もうちょっと頭を使って利用することにした。

そもそも公立図書館は、その自治体のルールにもよるが、住民票のある自治体だけでなく、通勤・通学先の自治体の図書館も利用できることが多い。さらに隣接している自治体の図書館も利用できたりする。また、自治体と言っても様々なレベルがあって、市区町村立の図書館だけでなく、都道府県立や国立の図書館だって使える。

このように考えると、利用する図書館を1つだけに絞るのはもったいない。もちろん、「お気に入りの図書館」があるのはいいことだが、利用できる自治体の図書館に利用登録だけしておいて、身近な図書館に目当ての本がなかったり、予約制限に引っかかったときだけ利用するという使い方が考えられる。

ちなみに、この本の中盤で色んな本から引用する「各論」については、ちょっと弱いなという印象を受けた。しかし、完璧な本というのは多くないわけだから、これはこれで著者が考えた展開なのだろう。

これまで私の中の「読書論」といえば佐藤優読書の技法だったが、これからはこの本と二大巨頭になる気がする。