かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

メディアの「信頼」を考える

メディア関係者が「取材対象からゲラを見せるように言われるが、メディアは信頼されていないのか?」といったツイートをしたところ、それが炎上しているらしい。

現在は非公開にしているようだが、このツイートへのコメントを見ていると、「とっくに信頼してない」とか「新聞は読んでない」とか、さんざんな言われようである。

 

さて、「信頼」という言葉を考えたとき、これは「信じる」と「頼る」に分けることが出来る。

ツイートにぶら下がるコメントは、そもそも報道内容や報道姿勢を疑っているような「信じる」ことへのコメントが多い。

ただ、このメディアへの信頼低下は、「頼る」意識の低下も影響しているのではないかと思う。つまり「テレビなんて見なくても、新聞なんて読まなくてもニュースは分かる」と。

テレビや新聞は、これまで大きい影響力があり、マスに発信する権利は、事実上寡占状態となっていた。だからこそ、取材対象者は「編集権」に目をつぶってでも、掲載をお願いしていたのだろう。

しかし今の時代、自分の言いたいことは自分で発信できる。テレビを頼らなくても動画は作れるし、新聞を頼らなくても記事は書ける。そしてそれを全世界に公開できる。

つまり、取材対象者がマスへの発信という部分で選択肢を持ち、「修正してくれないなら、掲載しなくていいです」と言いやすい状況になった。だからこそ、Twitterでこの手の"告発"が目立つのだろう。

そういう意味で、確かにメディアの「編集権」は存在するが、以前と違ってメディアは選ばれる側になり、選んでもらえるようなコミュニケーションをしなければならなくなったということは、理解したほうがよいのだと思う。