かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

蔓延するフリーランス的価値観

私は1992年生まれで、いわゆる「ゆとり世代」の真ん中ごろの世代だ。 私の世代は、個性や「自分らしさ」などが注目されていた。SMAPの世界に一つだけの花もヒットしたし、大学でもキャリアデザイン学の授業があった。当時の感覚として、「自分らしい人生を自…

大きな声と小さな手

ゲンロン戦記を読んだ。 ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる (中公新書ラクレ) 作者:東浩紀 発売日: 2020/12/11 メディア: Kindle版 本の内容としては、哲学者が起業してからの紆余曲折という話で、哲学書というよりも、ドキュメントとか私小説的な本である…

公務員ウケする公務員を目指さない

言いたいことは題名の通りなのだが、以下補足。 インターネットをどのように使っても自由なのだが、どうも地方公務員界隈は、公務員あるあるとか仕事の愚痴とかの身内ネタだったり、地方公務員に対する自己啓発を行っている人が多い気がしている。 現役公務…

実感のないものを実感を持つ前にいかに判断するか

科学には実感がない。科学は、世の中の現状を人間の感覚から切り離し、客観的に記述する(しようとする)ことによって成り立つ学問である。 例えば、「物質は原子で成り立っている」という科学的事実があっても、それを実感することはない。「科学リテラシー…

2020年、今年の3冊

去年から、読書メーターを使って、読書量を管理している。 2020年に読んだ本は、12/19時点で121冊。節約したいこともあって、半分ぐらいは図書館で借りて読んでいたように思う。 特に今年は新型コロナウイルスの影響もあって、本を読むことが非常に多かった…

【条例の作り方講座】第3回 ~条例を改正するって どうやって?~

www.youtube.com 条例の作り方講座 第3回を更新いたしました。

私たちは、生きようと思って生きているわけではない

考えてみれば、私がこの世に生を受けているのは、別に自分で「生まれたい」と思って生まれたわけではない。ただの他人の営みによって、生まれ出たのであって、そこに私自身の願望や意志は存在しない。というより、存在し得ない。 ただ、自我が発達し、社会生…

ネットでは「勝ち筋を見つける争い」が多い

ネット上の言説をあれこれ見ていると、道徳的にどうかとか、政治的にどうかという主張よりも、単に「勝ち筋を見つける」ということに執着しているように見える。 ネットスラングでいえば「これで勝つるwwww」という「勝ち筋」を、いかにひねり出していく…

リスクについての3つの小話

疲労にマスクをする 昔、ためしてガッテンで、「疲労にマスクをする」という言葉を使っていた。 体に溜まった疲労は、ある一定のラインを超えると疲労“感”が鈍感になる。これを「疲労にマスクをする」というらしい。 睡眠をとることで、身体はある程度回復す…

責任を引き受けること

私が初めて所属した部署は、法規担当だった。 法規担当は、扱っている内容の重要性や専門性から、チェック体制を厳重にしていた。具体的には、担当のほかに、チェックする者が2人いる体制にしていた。 こうすることで、例規という厳格さが求められる仕事に…

条例の作り方講座 第2回 ~条例を見てみよう!~ を公開しました。

www.youtube.com 条例の作り方講座第2回を公開しました!

「公務員」という言葉の解像度を上げる

Youtubeに動画をアップしてみました 「条例の作り方講座」という動画をyoutubeにアップしました。 かなり前から考えていたことではありますが、動画を作って公開するということへの踏ん切りがつかずに、ここまで来てしまいました。 内容的にも動画編集的にも…

人間の感情を信用していないからルールがある。

SNSが出来てからというもの、「面白いから良い」とか「気持ち悪いからダメ」というように、物事を「快」と「不快」で判断されるケースが多いように思う。 これは「私は嫌だ」という感情が紛うことなき事実であって、論理でどうこう出来るものではないという…

マニュアルは組織内の格差を広げてしまう。

今の職場に配属されて1年半。早くも、新しく異動してくる職員への研修を担当することとなった。 長い時間をかけて資料を作り、研修自体も無事終えた。 しかし、研修が終わっても初歩的な質問が来て「え、それ資料に書いてるよね?」と戸惑うことも多い。 最…

長く続けるためには、目的と手段が入れ替わらなければならない

「目的と手段が入れ替わっている」というのは、何かを達成するために用いた方法が、やがて、それを行うこと自体に固執して、目的がなおざりになっていることを指す。 こういう言い方をするときは、たいてい批判的な意味を持っている。具体的には「一貫性がな…

2段階リーダーシップ論

組織を率いて、未開の地を切り開いていく者は、果たして「リーダーシップがある」といえるのだろうか。 リーダーシップに必要なのは、人々を引っ張って、組織の目標に導く力だと思われがちである。 実はこういう人は、最初は順調であるものの、ある程度時間…

情報化社会の要点

1990年前後から「情報化社会」と言われ始めたであろうから、もう30年近く経つことになる。 おかげで、世の中は「情報」に溢れ、インターネットはでき、凄まじい変化を遂げている。 しかし、情報化社会の要点は、量的な意味で「世の中に情報があふれる」こと…

#ジブリで学ぶ自治体法務 を解説してみよう

#ジブリで学ぶ自治体法務 というハッシュタグが、(非常に狭い範囲の)ツイッター上で話題になっています。 ただ、自治体法務にあまり明るくない方や、これから公務員を目指そうとしている人にとっては「なんのことやら」という話であることもしばしば。 そ…

「元公務員」と名乗る人たち

どうやらTwitterでは「元公務員」という肩書について、以下のようにひと悶着あったらしい。 おそらく発端としては、以下の2つのツイート。 公務員辞めてんのに公務員のここが嫌だとか言ってんじゃねえよ単純に気持ち悪りぃな。 — sho@元バンドマン公務員 (…

野党の苦境

あまり政治的な記事を書きたいわけではないが、あくまで一般論として。。。 これが、一体どれだけの世論を代表しているかはさておき、少なからぬ意見であるように思う。現状、野党がどれだけ対案を示し、それをアピールしたとしても、注目されるのはそれ以外…

アートにおける映像作品が苦手

最近、美術館によく行くようになったのだが、そこで気になっているのが、映像作品についてだ。 もちろん、特定の映像作品が良いとか悪いとか、そういう話ではない。むしろ、その「建付け」の話といって良い。 映像作品は、身体的にも時間的にも、私たちを拘…

「私」と「あなた」で考えることの限界

「自由という牢獄」について 少し前にこの本を読んだ。 自由という牢獄――責任・公共性・資本主義 (岩波現代文庫) 作者:大澤 真幸 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/09/15 メディア: 文庫 著者は「今の社会は、選択肢が多すぎて何をしたら良いのか分か…