かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

マニュアルは組織内の格差を広げてしまう。

 今の職場に配属されて1年半。早くも、新しく異動してくる職員への研修を担当することとなった。

 長い時間をかけて資料を作り、研修自体も無事終えた。
 しかし、研修が終わっても初歩的な質問が来て「え、それ資料に書いてるよね?」と戸惑うことも多い。
 最初は大目に見ていたのだが、それにしても多い。

 私は「資料を作り込みすぎたために、難しかったのだろう」と、まず考えた。
 だから、研修資料の簡易版を用意し、それを定期的にメールで配信することとした。
 しかし、それでも初歩的な質問が届く。そこで私は気づいた。

 「この人たち、そもそも資料を読んでいない」

 私はかつて、資料を作ればある程度みんなが読んでくれて、組織の能力が底上げされるのだと考えていた。
 しかし、実際目を通している人は、2割いるかいないかだ。

 どんな工夫をしても、読まない人は読まない。
 逆に、一定の体裁を整えれば、読む人は読む。

 つまり、資料を読む人と読まない人の間で、知識の差が生まれてしまう。
 そして、資料を作れば作るほど、その格差は広がってしまう。

 だからといって、資料を作らないというわけにもいかない。
 ましてや、個性が尊重される世の中において、「教育」はますます難しくなっているように思う。

 この現状の中で私に出来るのは、職員が仕事をしやすい環境を整えることだ。でも、その環境を利用するかは、結局その人に依存する。

 なかなかもどかしい立場だ。