かつげんの拠り所

1992年生のしがない子ども福祉系地方公務員のブログ

雑記

「私」と「あなた」で考えることの限界

「自由という牢獄」について 少し前にこの本を読んだ。 自由という牢獄――責任・公共性・資本主義 (岩波現代文庫) 作者:大澤 真幸 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/09/15 メディア: 文庫 著者は「今の社会は、選択肢が多すぎて何をしたら良いのか分か…

ブログを始めて1年経ったことと、ブログを始めた理由

ブログを始めて、1年が経ったらしい。 「最初にしては、飛ばした文章を書くなぁ。。。」と振り返って思う。 そういえば、なぜこのブログを始めたのかを説明していないような気がしたので、これを機に書いてみたいと思う。 リセット癖 私は元々、文章を書く…

「選挙」というシステムは、時代遅れなのではないか。

最近「選挙」というシステムについて、懐疑的な見方をしている。 発端としては、選挙近くになると、「若者よ、投票へ行こう」というキャンペーンが繰り広げられ、あの手この手で、選挙の重要性を説くものが多く見られるようになったことだ。 普段は、政治と…

ひとが自由を感じるとき ー坂本真綾についてー

先日、このイベントに行った。 10thアルバム「今日だけの音楽」全曲先行試聴会 オープニングトーク→試聴→クロージングトーク という流れだったのだが、話を聞いている中で、坂本真綾について書きたいことが出てきたので、書いてみたいと思う。 坂本真綾と振…

根拠的理由と説明的理由

私は今、来年の研修に向けて、資料を作っている。 出来るだけ分かりやすく書こうと試みているわけだが、これがなかなか難しい。 作成の仕方としては、前担当の資料を改定する形で作成している。この前担当の資料が、極めて分かりづらい。 言ってることは分か…

紙のしおりと環境問題

私は最近、マグネットで出来た本のしおりを愛用している。 よくある紙のしおりは、目印になるように本から飛び出させておくと折れる。中に入れると、どこか分からなくなる。しまいには、本から落ちてなくなっていたりする。 マグネット型のしおりは、磁石に…

感情はなぜ波及するのか

言語は、コミュニケーションにおいて必須なツールである。しかし、そのコミュニケーションの円滑さを促進しようとして、全人類に共通な言語を作ろうとしても限界がある。 それは言語には、全人類を覆うような水平性だけでなく、専門性によって表されるような…

占いと俗世

ある時期、私は、占いにハマっていたことがある。 何をしてもうまく行かない時があり、藁をもすがる思いで、占いに行き着いたのだ。 元々私は占いに対して、「どうせ当たらないし、くだらないな~」と思っていた。テレビで流れる星座占いも、話半分で聞いて…

芸術鑑賞に素養は必要なのか

「アート」という存在が問題になっている。 きっかけは、あいちトリエンナーレにおける「表現の不自由展 その後」の開催中止だ。 その後、多数の作家が、この中止等に抗議し、その作家の展示を中止した。 このブログの通り、私も見に行った。感想としては、…

自分が動けなくなったときのことを想像する。

人生の要素 人生の三大要素は、「お金」と「時間」と「身体」だと思う。 働き始めてすぐに思ったのは、学生時代は「時間はあるが、お金はない」のであり、社会人は「時間はないが、お金はある」ということだ。 それを実感してから、「時間をお金で買う」とい…

「歌ってみた」から「やってみた」への変遷

「◯◯をやってみた」という動画は、動画のテーマにおいて、一番隆盛しているテーマと言ってよいだろう。 現在は、Youtubeでの動画視聴が定番となっているが、私は元々ニコニコ動画世代である。 思えば、ニコニコ動画時代では「歌ってみた」とか「弾いてみた」…

モノ消費からコト消費への移行

最近のトレンドは「コト消費」らしい。 消費は今まで、日用品や嗜好品などの具体的な物質を対象としていた。しかし最近は、ある出来事を消費する傾向がある。 この傾向のことを、前述の記事のように「モノ消費からコト消費へ」などと言ったりしているらしい…

QueenとJourneyにおける原理主義への処理の比較

Queenにおける原理主義 私は、Queenが好きだ。 少し前に「プライド」というキムタク主演のドラマがあり、その主題歌としてQueenが流れていたことがきっかけだった。 Queenには、フレディ・マーキュリーという絶対的なボーカリストがいた。映画「ボヘミアン・…

新人を話題の中心にする

職場に新人が配属された。 どうやら仕事について悩んでいるようだったので、サイゼリヤに連れていって、相談を受けた。 相談の内容はさておき、私はその話し方が気になった。 歓送迎会などの飲み会のときとは、まるで話し方が違う。かなり饒舌なのだ。 聞く…

「この係の仕事で大切なことってなんですか?」と後輩から聞かれた話

先日、前の職場の歓送迎会に参加した。 無難に挨拶をして、これまでお世話になった方へのお酌もして、楽しく飲むことができた。 と思ったのもつかの間、今年入庁したばかりの後輩からこんな質問が飛び出た。 「この係の仕事で大切なことってなんですか?」 …

ネット社会における椅子取りゲーム化

何かとポジションを取りたがる人 何か事件があったときに、すぐに意見表明をし、その事件に対するポジションを取りたがる人が多い気がしている。まるで椅子取りゲームをやっているような、そんな様相である。 たいていの場合、まっとうな極論のあとに逆張り…

「ゲーデル、エッシャー、バッハ」は訳分からないですよねという話

感想 この前ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版を図書館から借りてきて読んだ。 理由としては、先日投稿した土曜会での発表の準備のために読んだ。 この本の書評などを見ると、結構評価が割れている。 例えばスゴ本さんでは、以…

繰り返すことに対する試論 -解説-

はじめに ここでは、2019年04月06日の土曜会で発表した「繰り返すことに対する試論」について、スライドを交えながら解説していきます。 スライド自体は、土曜会のHPでも後日公開されると思いますので、そちらも御覧ください。 今回の発表は、1月の土曜会で…

新人の教育係に指名されたあなたへ

地方自治体などでは、そろそろ異動の内示や組織改正等が発表されたことかと思います。 今回の中身の記事では、来年度から新人の教育係(ここでは「メンター」といいます。)に指名された方へ、その準備等を私なりに書いていこうかと思います。 メンターは、…

素人がチェルノブイリと福島に行ってきた(その2)

この記事は、素人がチェルノブイリと福島に行ってきた(その1) - かつげんの拠り所の続きです。 まだ(その1)をご覧になっていない方は、まずそちらを御覧ください。 素人が福島第一原子力発電所に行ってきた 福島県にある木戸駅前の看板と、モニタリン…

素人がチェルノブイリと福島に行ってきた(その1)

私は、2018年の6月にチェルノブイリ原子力発電所へ、同年12月に福島第一原子力発電所へ行った。 このシリーズでは、3回にわけてその模様などを書いていきたいと思う。 その1ではチェルノブイリを、その2では福島を、その3ではチェルノブイリに行った際…

「ボランティア」の意味は、なぜ「無償労働」になったのか

ボランティアの現状 ボランティアという言葉は、1997年に起こった阪神・淡路大震災の際に有名になった。 その年は、「ボランティア元年」と言われるほどだ。 その後、1998年に特定非営利活動促進法(NPO法)が制定され、ボランティアという言葉は一般的にな…

もう一度人生を歩めるとして、この人生を選ぶか

なんとなく人生論的なものを書きたくなったので書いてみる。 タイトルで、言いたいことはすべて言えている気がするが、以下、要点と補足 要点 ・人生は選択の積み重ね。・したくない選択や「『選ばなかった』という選択」をすることもある。・自発的でない選…

私はキラキラした公務員になれない

キラキラした公務員の存在 公務員の世界にも業界誌がある。それらを読んでいると、とてもキラキラしているように見える。 「街へ飛び出そう!」 「二枚目の名刺を持とう!」 「若手公務員による業務改善事例!」 一般的に考えられる地味なイメージとは真逆の…

私が公務員1年目のときに教えてもらいたかったこと(その2)

この記事は私が公務員1年目のときに教えてもらいたかったこと(その1) - かつげんの拠り所の続きとなります。まだご覧になっていない方は、先にその1を御覧ください。 仕事のつながりを意識する 入庁してすぐは、目の前の仕事を覚えることに必死だ。しか…

私が公務員1年目のときに教えてもらいたかったこと(その1)

なぜ今書くか 公務員になって、今年で4年目になる。そろそろ異動の対象となり、「新人」とは言えない時期だ。 仕事を覚えるということは素晴らしいことで、1年目のときには半日かかっていた仕事が、30分で出来るようになったりする。効率的に仕事ができる…

資料のお守り的使用法について

紙、紙、紙 私は地方公務員で、現在、条例や規則(まとめて「例規」という。)に関する事務を行っている。この事務においては、ひたすら紙を使う。 しかも、それぞれの「紙」は、間違ってはいけないものがほとんどだから、多くのチェックが入る。チェックの…

現在の法は、適切でないかもしれない

福島第一原子力発電所事故の報告書を読んだ 私は先月、福島第一原発に視察へ行った。 この視察については、また後日書こうと思う。 私は、視察の予習をしたいと思い、事前に福島第一原発の3つの報告書(東電・政府・国会)を読むことにした。 3つの報告書…

努力できることすらも才能なら、私たちは何をすればよいのだろう。

村上隆の「芸術起業論」について 村上隆の「芸術起業論」を読んだ。 芸術起業論 (幻冬舎文庫) 作者: 村上隆 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/12/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 言ってみれば「ジャケ買い」なのだが、読んで良かった。 …